〈BD〉「決勝戦で周りを囲まれて撞く経験は2度目。本当にあれはキツい(泣)」――2024『都道府県対抗』優勝・静岡Bチームアンケート

 

6月15日~16日に和歌山で行われた

アマチュアポケットビリヤード団体戦、

第58回全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権大会

(種目はローテーション)。

※最終全結果はJAPA公式サイトにて

 

静岡県としては、

2012年以来12年ぶり2度目の優勝。

 

そして、史上初の「Bチーム優勝」を

飾った静岡Bチームの5名に、

大会の感想をアンケート形式で聞きました。

番手順にお届けします。

 

 

↑ 静岡(SPBC)A・B両チームの10名がキューケースに付けていたお守り。SPBCの原口かずえマネージャーお手製のものだとのこと。「御利益ありました(笑)」(静岡B 5番手 羽切進一郎)

 

…………

 

● 1番手:五十嵐祐(いがらし・ゆう)

 

 

Q1 優勝が決まった時のお気持ちを教えてください。

 

五十嵐:12年前(※2012年大会。静岡初優勝時)の決勝戦は先に仲間が3勝してくれてたので気持ちが楽でしたが、今回は自分のテーブルが決定戦になってしまい(※先に他の4試合が終わり静岡B 2-2 沖縄に。優勝をかけた最後の試合になった)、すごいプレッシャーの中、痺れてセンターショットの11番を失敗してしまいました。なので、その後の3球を取り切った時も「優勝を決めた」というより「何とか勝てた」という気持ちだけが残り、優勝の実感があまりなかったです。羽切さん(静岡Bの5番手)が最初に抱き着いて来てびっくりしてたくらいです(笑)。

 

 

Q2 大会2日間の感想や印象に残ったシーンとは?

 

五十嵐:球撞きのお休み期間があったので今回は9年ぶりの出場でしたが、やはり都市対抗は特別な空気がありますね。決勝戦の終盤、沖縄の棚原選手の素晴らしいまくり体勢から11番スクラッチで自分に撞き番が回って来るとは思っていなかったので、痺れすぎてセンターショットを気持ちここにあらずで撞いてしまい、失敗した瞬間結構泣きそうでした!(1ラック目の9番のセンターショットも……) 静岡のみならず、各県の球撞き仲間からの祝福LINEでは、必ずあのセンターショットはいじられてる状況です。決勝戦で周りを囲まれて撞く経験は2度目ですが、本当にあれはキツいですよ(泣)。

 

 

Q3 個人的な目標は何か持っていましたか? そしてそれは達成出来ましたか?

 

五十嵐:今回初めて1番手での出場だったので、勝ち越したいとは思ってました(ブロック予選6勝5敗でしたのでセーフ)。ただ、組み合わせを見た時は、良く知ってるSAプレイヤー達や、球聖戦挑戦者や、九州の有名選手ばかりで厳しいなと思ってました。初日に5連敗した時は泣きそうでしたが、2日目は決勝トーナメント含め全て勝てたので満足です。でも、自分の勝率よりも静岡A・B、2チームともにブロックを通過したいという気持ちの方が強かったです。

 

 

Q4 静岡Bチームが優勝できた理由はなんだと思いますか?

 

五十嵐:本当に運が良かったのだと思います、特に自分が(笑)。ブロック予選は通過してないだろうと思い、キューを片付けていたメンバーもいました。準決勝からは各メンバーが変な気負いをせずに試合に入れたのも大きいと思います。チームワークからかけ離れたメンバーにもかかわらず(笑)、気持ちの面で繋がってた感が不思議とありました。

 

 

ビリヤード歴:24年

使用プレーキュー:ランブロス(シャフトは9Hearts(ILC)長熟/タップはBIZEN)

SPBC在籍年数:17年

都道府県対抗出場回数:7回目

 

…………

 

● 2番手:石田太士(いしだ・たいじ)

 

 

Q1 優勝が決まった時のお気持ちを教えてください。

 

石田:「マジで!?!?!? 優勝しちゃったよ!!! ちょー気持ちいい」って連呼しちゃいました。まさか優勝できるとは思ってもいなかったので、夢のような時間でしたね。

 

 

Q2 大会2日間の感想や印象に残ったシーンとは?

 

石田:ブロックの順位発表で静岡Bが1位で呼ばれた瞬間。泣きました(笑)。応援団含め20名以上のチーム静岡はスタンディングオベーション状態になってました。A・B両チームでの予選通過は過去に前例が無いことは知っていましたし、「決勝戦で静岡対決ができたら最高だよね」と以前から皆で話していたので、とても嬉しかったです。

 

 

Q3 個人的な目標は何か持っていましたか? そしてそれは達成出来ましたか?

 

石田:「予選通過のためにはチームで40勝が目標だから、1人8勝ね」って言われていたので、そこを目標にしたのですが遠く及ばず……。予選クズだった自分を決勝戦の舞台に立たせてくれたチームメイトには感謝しかありません。でも、準決勝と決勝戦で勝てたのでチャラですね(笑)。

 

 

Q4 静岡Bチームが優勝できた理由はなんだと思いますか?

 

石田:勢いと運じゃないですか。チームメイトって負けてしまった仲間に気をつかって励ましたりするのが普通だと思うのですが、このメンバーは平気で罵倒してきます(笑)。それに対して気落ちせずに燃え上がる奴ばかりだったのが、上手くチームとして勢いづけた理由なのかな。遠く静岡から駆けつけてくれた応援団にも感謝します。とても力になりました。

 

 

ビリヤード歴:25年

使用プレーキュー:ILC(I Love Cues)(シャフトはAbe Rich〈ILCオリジナル〉/タップはNaolly M)

SPBC在籍年数:約15年

都道府県対抗出場回数:今回が3年連続3回目

 

…………

 

● 3番手:木村善元(きむら・よしもと)

 

 

Q1 優勝が決まった時のお気持ちを教えてください。

 

木村:決勝戦の2勝2敗での一番手の決定戦(静岡B・五十嵐 vs 沖縄・棚原)は見ているだけでも震えがくるほど痺れました。沖縄の棚原選手の後半の度胸のあるショットの連続……。本当にカッコよくて感銘を受けました。11番からのドラマチックな展開を制してラッシー(※五十嵐選手)が残り3個を仕留めて優勝が決まった訳ですが、その時は自分が当事者である事をすっかり忘れてました。「ラッシーおめでとう!」って感じです。自分自身が決勝戦で早々に負けてますので、優勝の瞬間は全く実感がなくて。会場にいる間、表彰式の最中も他人の表彰式に参加してる気分で全然実感が湧かなくて。帰路から翌日にかけて、大量に届いたお祝いのメールに返信しているうちに実感が湧いてきた感じです。

 

 

Q2 大会2日間の感想や印象に残ったシーンとは?

 

木村:決勝戦の1番手の決定戦で、ラッシーが11番のセンターショットを外したシーンは最高でした(笑)。あと、熊本の吉川(隆行)さんとの対戦が本当に楽しくて、そして、思い知らされた経験でした。113―7で折り返し、2ラック目のローボールをセーフティの駆け引きで翻弄されて、6番を無理やり入れに行って119点。そこから1球も取れず、ジワジワ取り切られて逆転負け。あと1点の大切さ、諦める事なくジワジワと追い詰めてくるベテランの恐ろしさを思い知らされました。本当に楽しい試合でした。が、これでもし1勝差でブロック通過を逃していたら、一生忘れられない悔しい1点になるところでした。

 

 

Q3 個人的な目標は何か持っていましたか? そしてそれは達成出来ましたか?

 

木村:個人的な目標というより心掛けていた事はあります。「中心線でプレイをする」です。横を撞きたくなっちゃうんですが、特設会場でそれぞれのテーブルコンディションが違う中で横を撞いてネキ取りしていてはアジャストできないだろうと思ったからです。何度かやらかした場面があったんですが、それはやはり我慢できず横を撞いた球でした。それでも、大事な場面でしっかり中心で球を撞けてたのが結果につながったのではないかと思います。

 

 

Q4 静岡Bチームが優勝できた理由はなんだと思いますか?

 

木村:一番の要因は無欲だったからだと思います。無欲が故に、運や流れが来てくれたんじゃないかな。ブロック33勝22敗では上がれないと思い、僕を含めて、みんなキューも片付けてAチームの応援に回るぞ!! って応援への気合を入れてたくらいですから。「Cプロック1位、静岡B」と予選通過のアナウンスを聞いた瞬間、椅子から転げ落ちるくらいびっくりしました。「優勝するぞ!」なんて気負いは全くなく、各々が目の前の試合に全力で向き合った結果、知らず知らずにピースが組み上がったのではないかと思います。それぞれ納得のいかない試合や後悔のプレイがある中、全員が常に前を向いていたような気がします。みんな個性が強く、キャラが濃くていつもはバラバラなんですが(笑)、今回は気持ちが一つにまとまっていたのも勝因ではないかと思います。みんな、ありがとう!

 

 

ビリヤード歴:20年くらい

使用プレーキュー:エクシード(シャフトはWD700/タップはBIZEN)

SPBC在籍年数:10年(?)

都道府県対抗出場回数:2回目

 

…………

 

● 4番手:政二真琴(まさに・まこと)

 

 

Q1 優勝が決まった時のお気持ちを教えてください。

 

政二:素直に「夢が叶ったー」って思いました。今までこの大会で準優勝の経験などはあったのですが、自分のミスで優勝を逃した事がずっと心残りだったので。ラッシー(※五十嵐選手)が11番のセンターショットを抜いた時は見てられませんでしたけどね(笑)。

 

 

Q2 大会2日間の感想や印象に残ったシーンとは?

 

政二:ブロックリーグが全て終わり、チームの皆が「1位通過は無理だな」ってキューも片付けていたところに、まさかの1位通過のアナウンス。その時は優勝したんじゃないかくらい皆で喜びましたね。

 

 

Q3 個人的な目標は何か持っていましたか? そしてそれは達成出来ましたか?

 

政二:この都道府県対抗での優勝がずっと目標でした。15年前に準優勝した時(2009年大会・京都優勝)に外した球をずっと引きずってしまって、ビリヤードが出来なくなる時期も数年あったりして、克服するにはこの大会で優勝するしかないと思っていましたから。

 

 

Q4 静岡Bチームが優勝できた理由はなんだと思いますか?

 

政二:なんと言ってもチームワークですね!! Bチームだけど、Aチームに勝ってやろうって気持ちが全員にありましたから。それと、静岡から応援に来てくれてる仲間や、静岡で応援してくれてる仲間達の力のおかげです。

 

 

ビリヤード歴:26年

使用プレーキュー:アリエル・カーメリ(シャフトは9Hearts長熟/タップは斬プレミア厶ソフト)

SPBC在籍年数:14年

都道府県対抗出場回数:7回くらい

 

…………

 

● 5番手:羽切進一郎(はぎり・しんいちろう)

 

 

Q1 優勝が決まった時のお気持ちを教えてください。

 

羽切:「やってやったぜ」って気持ちが強かったですね。 Aチームにはなれなかったけど、Bチームのメンバーも頼りになる仲間達だったので、下剋上してやろうという強い思いはありました。

 

 

Q2 大会2日間の感想や印象に残ったシーンとは?

 

羽切:やはりブロックリーグの1位通過のアナウンスがあった時ですね。Bチームは勝ち星の計算をしてなかったですし、最後は「駄目だ」と思っていました。だから、通過が決まった時はすごく興奮しました。あと、お決まりの最後の(五十嵐選手の)センターショットかな(笑)。

 

 

Q3 個人的な目標は何か持っていましたか? そしてそれは達成出来ましたか?

 

羽切:自分の目標は「チームのテンションをなるべく上げる」。個人での理想はMVP(大会最優秀選手)でしたけど、ブロック表が発表された時、「ウワッ、厳しいブロックだな」と思いました。弱気ですが、「最低勝ち越しで」と思ってました(笑)。結果は本当にギリギリでした(笑)(※6勝5敗)。

 

 

Q4 静岡Bチームが優勝できた理由はなんだと思いますか?

 

羽切:やはりチームワークの良さはあります。静岡はみんな仲がいいです。優勝出来たから思うんですが、今年は勝つべくして勝ったんじゃないかと。去年はクラブ員(SPBC)が少なく、静岡はBチームの参加は無し。去年12月の月例会が終わって都道府県対抗の代表選手(Aチーム)が決まり、一応Bチームのメンバーも選出していて、「このメンバーならもしかしてA・B両方、上に進んで行けるかも」というところから、小泉毅朗会長をはじめ連盟員が声掛けをして、静岡県内のビリヤード場オーナーの方やプレイヤーの方にクラブ員になっていただき、全国でもトップクラスのクラブ員数になり、Bチームが出場出来ることになりました。静岡の皆さんには色々な所で応援していただき感謝しかありません。その全てが力になり、優勝出来たと思います。自分は10回ぐらい都市対抗に出ていますが、過去一の応援団が和歌山まで来てくれて感謝しかありません。静岡県、最高!

 

 

ビリヤード歴:27年

使用プレーキュー:プレデター(シャフトはCutec シナジー/タップは斬S)

SPBC在籍年数:14年くらい

都道府県対抗出場回数:10回目

 

…………

 

2024都道府県対抗:

 

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