〈BD〉フェダー・ゴーストの「サウジアラビアでの栄光。そして人生は続く」。WNT.サイトより

 

いよいよ来週6日(火)より、

3年目の『ヨーロピアンオープン』が

開催されます。

 

マッチルーム(WNT.)主催の

9ボールメジャーイベントとしては、

6月の『9ボール世界選手権

(サウジアラビア)から2ヶ月ぶり。

 

すでに組み合わせは出ています。

こちら 閲覧は要アカウント作成〈無料〉

※ 日本からは大井直幸&吉岡正登が出場

 

大会の概要など詳しくは、

近日改めてまとめます。

 

注目選手はやはり、

その『9ボール世界選手権』で

2度目の優勝を飾った

フェダー・ゴースト(アメリカ)です。

 

プール界では破格の

3,700万円(25万ドル。8月2日現在のレート)

という優勝賞金を手にし、

WNT.ランキングも、

今年は誰にも抜かれることはない

安泰の首位の座に就いたゴースト。

 

WNT.(マッチルーム)が

本人からコメントを取り、

「栄光の後の人生」というテーマで、

7月24日に記事にしています。

→ 原文はこちら

 

WNT.サイトで、

イベント告知や大会レポート以外の、

特定の選手にフォーカスした

独自の「読み物」が出ることは

あまりありません。

それだけ「推しの人」であることは

間違いないでしょう。

 

そして、

ロシア出身・アメリカ在住選手として

ジュニア期から色々な意味で濃密な

プレーキャリアを生きているゴーストは、

若くして業界やプール競技のリアルを

知りすぎているためか、

 

あるいは、WNT.では昨年から

「アメリカ選手」になりましたが

(永住権を取得)、

WPAでは変わらず「AIN=中立選手」

という不安定な立場にいるためか、

 

この「成功」に浮かれることもなく、

淡々と日常を送っているようにも思えます。

その冷静さも面白く感じられました。

 

若きチャンピオンの貴重な記録。

その抄訳をお届けします。

 

ーーーーーー

 

 

WNT.記:

 

6月にサウジアラビアで開催された『9ボール世界選手権』でのフェダー・ゴーストの優勝は、彼のキャリアの頂点に位置するものであり、世界最高峰のプールプレーヤーとしての地位を確固たるものにした。

 

歴史的な成功を収めたにもかかわらず、ゴーストは冷静かつ現実的であり、優勝に伴う複雑な感情の動きを認めている。「最初の数週間は信じられないような気持ちだった」と彼は話し、すぐに「今は次のイベントに集中する時だ」と付け加えた。この言葉にはエリートアスリート特有のとどまることを知らない向上心が凝縮されている。

 

プールのプロプレイヤーとして求められる活動は、ゴーストの多忙な移動スケジュールにもはっきりと現れている。サウジアラビアでの栄冠の後、彼はドバイ、ベトナム、モルディブに向かい、その後フランスで束の間の休暇を取った。その間、インディアナ州の自宅にはほとんど戻らなかった。「プールのことを考えずにすんだのは2、3日だけだった」と彼は振り返った。その言葉からはプール競技に全力を注ぐ姿勢が明らかだった。彼のめまぐるしいライフスタイルは、プール競技のトップレベルで生活とキャリアを両立させることの難しさを物語っている。

 

今後ゴーストは、マッチルーム主催の「メジャートーナメント」(※年間5戦前後)に重点を置くという戦略を立てている。彼は「メジャートーナメントに集中し、(その他の試合は)その都度選んでいくつもりだ」と今までとは優先順位が変わったことを強調した。この決断は、ランキング上位を維持するための休養と準備の重要性を理解しているからこそだ。「以前スケジュール管理でミスをしたこともあったし、いい人すぎて依頼を断れないこともあった」とゴーストは認めた。スケジュール調整力は成長曲線を描いている。

 

『9ボール世界選手権』の優勝でWNT.ランキング1位になったゴーストは、トップランカーとしてのプレッシャーなど新たな課題に直面している。しかし、彼は冷静な視点でこれに取り組んでいる。「ランキングはあくまでランキング。でも、順位が高ければマッチルームメジャーイベントでの枠順も良くなる」と、プレッシャーを意に介せず、現実的なメリットを意識している。彼の「試合の準備」には、弱点にフォーカスし、継続的にスキルを磨くことが含まれている。「弱点はたくさんあるよ。シュートに不安を覚えるショットが常にある」と言い、改善と適応への意欲を見せている。

 

ゴーストの最近の経験、特に『9ボール世界選手権』でブレイクショットに苦しんだことは貴重な学びの時間だった。「サウジアラビアではブレイクがダメだった。変に聞こえるかもしれないけど、とても苦しんでいた」と率直に語り、自分のプレーの細かい部分にも取り組むことの重要性を示していた。この謙虚さと向上心が彼のアプローチの特徴である。

 

技術面だけでなく、ゴーストはファンとのつながりも大切にしている。彼の(『9ボール世界選手権』後の)6月のベトナム遠征は、プールをプレーするだけでなく、地域社会と関わることも目的だった。「たくさんの人がいて、そのひとりひとりと時間を過ごそうとしたんだ」と彼は語り、プール競技を通じたソーシャルな結び付きに感謝していた。

 

また、ゴーストは『モスコーニカップ』(12月。欧米対抗戦)や他のビッグイベントを楽しみにしているが、特にアメリカ・フロリダ開催のモスコーニカップにおいて、ファンの声援が果たす役割を強調する。「今年も僕らアメリカチームは戦前予想では劣勢だろう」と彼は言うが、アメリカチームの可能性については希望を持ち続けている。

 

 

プライベートのことだが、ゴーストは最近、長年のパートナーで女子プールのスター選手でもあるクリスティナ・トゥカチにフランス旅行中にプロポーズし、オフテーブルの人生に新たな章を加えた。「今がその時だと思ったんだ」と彼は5年間の交際を振り返る。この人生の一大事は、プロとしての業績と並んで、人生と競技キャリアのバランスを取るゴーストのことを深く表している。

 

勝利と挑戦の両方に彩られたフェダー・ゴーストの旅路は、最高レベルのプロフェッショナルプールで活躍するために必要な回復力、戦略的思考、そして献身性を示している。キャリアを切り拓き続ける彼の姿は、成功は才能からだけでなく、継続的な学習と適応からもたらされることを端的に示している。『USオープン』や『モスコーニカップ』などでさらなる活躍を目指すゴーストは、今後もプール界を席巻し続けるだろう。

 

(了)

 

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◇ ゴースト談話/インタビュー記事

 

2024年6月 2度目の世界一。ゴーストがFacebookで語ったこと

2023年1月 ロシアの「The Machine」アメリカで生きる〜ゴーストポッドキャストインタビュー翻訳

2021年6月 最新動画インタビュー日本語書き起こし

 

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