〈BD〉ゴースト、SVB、サンチェスルイス……。WNT.トッププロたちがWPA系イベントへの不参加を表明

 

現在ドイツでは

WNT.(マッチルーム)メジャーイベント

ヨーロピアンオープン』が開催中ですが、

 

そこに参加している

一部のWNT.トッププロ達が、

さきほど一斉にSNSで声明を出しました。

 

要点は皆同じで、

 

WPA(世界プールビリヤード連盟)と

その傘下にある

ACBS(アジアビリヤードスポーツ連盟)への

抗議の意を込めて、

2024年のWPA主催・公認大会への

参加を見送るというもの

(※一連の過程は後述)。

 

8月10日時点で確認できた限りで、

 

フェダー・ゴースト、

シェーン・バンボーニング、

ジェイソン・ショウ、

フランシスコ・サンチェスルイス、

ジョシュア・フィラー、

デビッド・アルケイド、

エクレント・カチ、

ヨハン・チュア、

アルビン・オーシャン、

柯兄弟(柯秉逸、柯秉中、柯秉漢)、

スカイラー・ウッドワードが

ほぼ同じ内容の投稿をしています。

 

『WPA/ACBSが、

WNT.イベントに出たアジア選手に課している

【WPA/ACBSイベントへの参加禁止処分】

を解除しない限り、私たちWNT.プロは

2024年のWPAイベントには出ない』

と述べています。

 

つまり、WNT.トップ勢による

WPAイベントボイコットです。

 

ゴースト(アメリカ)の投稿を訳します。

 

 

ゴースト・記:

 

「WPAとACBSが最近、『ハノイオープン』(マッチルームメジャーイベント。2年目となる今年は10月開催)のような大会に参加したアジア人選手に対して、参加禁止処分を科したことを深く憂慮しています。これらの禁止措置は我々を失望させるだけでなく、スポーツの精神そのものに反しています。すべての選手は不当な罰則を恐れることなく、出場する大会を選ぶ自由を持つべきです。

 

私たちはプールを愛し、競技のスリルを味わい、コミュニティを築くためにこのスポーツに取り組んでいます。プレイヤーの参加を制限することは、個人を傷つけるだけでなく、このスポーツの成長と誠実さを脅かすことになります。

 

幸運にもプラットフォーム(※発信の場)を持つに至った者として私は、すべての選手がそうできる訳ではないことを知りながら、声を上げる責任を感じています。そのため、仲間の選手たちとの連帯を示すために、これらの禁止措置が解除されない限り、2024年の残りの期間、WPAが公認するいかなるイベントにも参加しないことを決めました。

 

私たちはともにプールの未来のために立ち上がり、公正さと制限なしでプレーする自由を提唱します」

 

ーーーーーー

 

アジア選手代表として、

J・チュア(フィリピン)の声も訳します。

 

 

チュア・記:

 

「私たちは、『ハノイオープン』をはじめとするWNT.のイベントに参加するアジア人選手に対して、ACBSとWPAが出場禁止令を出したことを知っています。

 

前に出場禁止令が出た時にも言いましたが、私たちが愛するスポーツを自由にプレーできないことに選手として本当に失望しています。私たちにはスポンサーがいて、私たちを頼ってくれる家族がいて、国を代表しているのだから、行動を起こすのは本当に難しい。

 

皆さんが知っているように、私たちアジア人選手はこのような禁止措置によって大きな影響を受ける側にいます。この前、あるWPA/ACBSのトーナメントに参加するためにチケットとホテルを予約しました。その1週間後、私は『WPA/ACBSが認可していないトーナメントに参加した経歴があるため、出場禁止だ』と言われました。

 

あるトーナメントにすでに参加していたシンガポール人選手が、突然出場禁止措置をくらい、プレーすることを禁じられたのと同じことが起こりました。私たちはお金と忍耐を浪費してきた。もう慣れてしまったので黙っていました。

 

しかし、私たちは逞しくなりました。今こそ立ち上がる時だと思う。私たちはこのような禁止措置には同意できません。仲間のアスリートの力を結集し、団結して立ち上がる時です。この出場禁止措置が解除されない限り、私たちは2024年の残りの期間、WPAが公認するいかなるイベントにも参加しません。

 

これから始める若い選手たち、そしてこのスポーツを愛するすべての人たちのために、私たちのスポーツに光が当たることを願っています。私たちはできる限りすべての大会に出場し、健全な競争を楽しみたい。選手たちの声を聞くべき時が来ることを願っています。今私たちは共に立ち上がります!」

 

ーーーーーー

 

この背景を簡潔に解説します。

 

2019年から

ワールドナインボールツアー(WNT.)

構想の実現に向けて着々と

新イベント創設や

ランキング対象イベントの整備を

進めていたマッチルームに対し、

 

WPAははじめのうちは

その行動を見守っていましたが、

 

昨年「WPAに公認料を支払い、

WPAの規定に沿った形で、

認可済みツアーとして開催しなさい。

さもなければWNT.を

【非公認ツアー】扱いとし、

その参加選手たちがWPA系イベントへ

出ることは許可しません」

と言い始めました。

 

特にWPA傘下のACBSが

強硬的な姿勢を崩さず、

昨年10月の『第1回ハノイオープン

(WNT.=マッチルーム主催)に出る

アジア各国のトップ選手たちに、

直接的に警告を発していました。

結果、ハノイオープン出場を見送った

トップアジア選手が複数いました

(開催国、ベトナムの選手含む)。

 

この公認・非公認問題を端緒として、

マッチルームとWPAとの関係は

今も冷えたままですが、

今年の『9ボール世界選手権

(6月サウジアラビア)だけは、

マッチルーム主催・WPA公認という

(本来あるべき)形で開催され、

軟着陸したかに思われました。

 

しかし、ACBSは今年も

『第2回ハノイオープン』に出る

可能性のあるアジア各国のトップ選手たちに、

再度警告を発していました。

 

それに対してWNT.も7月30日に、

今回はしっかりと文書の形で

遺憾の意を表しています。↓

 

 

こちらも訳しておきます。

 

WNT.(ワールドナインボールツアー)からの声明:

 

「私たちは、アジアビリヤードスポーツ連盟(ACBS)が、『ハノイオープン』(10月。WNT.=マッチルームメジャーイベント)に出ることを選んだベトナム人選手達を恣意的に出場禁止にすると脅し、反競争的な行為に及んでいる状況に失望していますが、それは驚くことではありません。

 

この行為は、昨年ACBSがとった行動を繰り返しているだけであり、彼らがオープンで包括的なスポーツの推進を軽視していることを浮き彫りにしています。それどころか、彼らは昨年目覚ましい成功を収め、広く賞賛されたこのハノイオープンを台無しにしようとしているように見えます。

 

私たちWNT.は、ハノイの現地パートナーと密に連携し、ACBSに対して直ちに行動を起こすべく法務チームと協議しています。ハノイオープンは必要な手続きと承認が全て済んでおり、予定どおりに開催されることを皆様に保証したいと思います。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします」

 

今回のWNT.トッププレイヤー達の

同時声明は、このWNT.の声明に

追随するものです。

 

権威主義的で弾圧的な

WPAおよびACBSのやり方に

きっぱりと「No」を告げています。

すなわちそれは、

改めてWNT.の趣旨に賛同の意を示し、

「WNT.トーナメントだけで

生きていくことになってもいい」

という態度の表明です。

 

ゴーストが

「すべての選手がそうできる訳では

ないことを知りながら、

声を上げる責任を感じています」

と言っているように、

今この声明が出せるのは

WNT.プロの中でも

「強者」だけかもしれません。

 

強者とは、WNT.大会で

賞金圏内に毎回のように残る可能性があり、

時にはメジャーイベントで優勝し、

オフトーナメントでは

自身でビリヤード場を経営したり、

大きなスポンサー契約料や

別事業での収入があったり……で、

WPAイベントに参加しないでも

競技キャリアを回していける人達です。

 

心の内でWNT.の理念に賛同していても、

現実的にはWNT.系とWPA系、

両方の大会に出場することを

望んでいるプレイヤーもいるでしょう。

 

現時点では、WNT.トップ達の

声明に対してWPAとACBSの

リアクションはありません。

 

また、この動きがどのように

他のWNT.プロ達とその支持者に波及し、

どれだけ競技ビリヤードプレイヤーと

ビリヤードファンの関心を集めるのか。

情勢を追って行きたいと思います。

 

………… 

 

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