〈BD〉2024 USオープンのちょっと裏側 by 吉岡正登

 

フェダー・ゴーストの初優勝で

幕を閉じた今年の『USオープン』。

※大会結果記事はこちら

 

出場していた日本人WNT.プロ、

吉岡正登プロより、会場と試合の

様子を教えていただきました。

 

大井直幸プロのYouTubeでも

大会の裏側が見られます。

 

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吉岡正登・記:

 

◇ 移動日

 

 

こんにちは、約4週間ぶりに帰国した吉岡正登です。夏の海外遠征最後の大会、『USオープン』を振り返ります。

 

ラックスMVPオープン』が行われたニューヨークから『USオープン』の開催地、ニュージャージー州アトランティックシティへの移動手段は、前日にバスを選択しました。

 

ヘンプステッドにあるエアビー(Airbnb=民泊の宿)から、Uberで約1時間でニューヨークのど真ん中、マンハッタンにあるバスターミナルへ移動。そこからバスでアトランティックシティへ。バス会社は何社かありますが、一番安価なNJトランジットバスを選択。往復で48ドル、時間は片道2時間半です。車窓は延々と木々ばかりでしたが、停車駅は1つなので比較的快適なバス旅でした。ちなみにバスターミナルで買った写真のソーセージパンは一個10ドルでした。

 

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◇ 『ハラーズ』 in アトランティックシティ

 

 

アトランティックシティに行くのは4度目なので大体要領は掴めています。今年も大会会場併設のカジノホテル『ハラーズ』に宿泊しました。近隣にエアビーもありますが、USオープンに関しては例年WNT.からプレイヤーは『ハラーズ』に泊まるように言われています(今年はマストではなかったかもしれませんが確実な方を選びました)。

 

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『ハラーズ』は街からポツンと離れた所にあり、中のレストランはどこも高い。500mlのミネラルウォーター1本買うのも躊躇します(たしか4~5ドルぐらい?)。かと言って、わざわざ街までタクシーで行ってもあまりまともな飲食店はありません。しかも、そこまで治安も良さそうではありません。ということで、毎年そうですが、基本的にご飯はUber Eatsで中華料理などを頼んでいます。今回はベトナム料理を頼んでみましたが、これがとてもヘルシーで味も美味しかったので、かなりリピートしました。写真のもの(2人前)で5~6千円ぐらいでした。

 

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◇ 会場

 

 

会場はホテル併設のコンベンションセンター内にある大広間。今年は初めて1階部分が使われていました。ブースもたくさん出ています。前日の16時からプレイヤー登録と練習が開始。いつもながらみんな並びます。僕らの前には自身のニックネームから、マリオのキャラクターの「ヨッシー」をキューケースに付けているJ・フィラー選手(ドイツ)が。

 

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ロビーに出ていた各社のブース。僕が契約しているCUETECキューもブースを出していて盛況でした。新プレーキューが出るとのことでデモキューが展示されていました(販売はまだでした)。

 

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◇ テーブルセッティング

 

 

テーブルは『ダイヤモンド』で、コーナーポケットの幅はいつもの4インチ。ですが、今回のラシャはいつもに比べてモフモフしておらず、サラサラでした。これによりラックが比較的立ちやすいんですが、ブレイク時にスリップするのか、1番ボールに回転が伝わらないため、サイドポケットに向かいにくいコンディションでした。本当に毎回色々なコンディションになっていてブレイクもそうですし、プレーも合わせるのが大変です。

 

ラシャの影響からか、2週間前の『ヨーロピアンオープン』の時よりもポケットが少し甘い印象でした。なので、形になったらなかなかシュートミスで回ってくる気配はありません。一度主導権を握ると走りやすいコンディション。それもあってか今回はダブルイリミネーションで敗者側に回るトップどころが多かったです。

 

ですが、相変わらずレフェリーラックの出来は毎回不安定でした。ゲーム自体は展開が読めず面白くなりますが、選手からするとフラストレーションは溜まります。

 

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会場のレイアウトは、TTV(メインテレビテーブル)が独立していて、TV1とTV2がセットで区切られていて、他は4台ずつ6エリアに分かれていて全27台。プラクティステーブルは6台設置されていました。また、TTVだけがブラウンのダイヤモンドテーブルでした(他は従来通りのブラックのダイヤモンド)。

 

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◇ 試合を終えて

 

© 2024 WNT.
© 2024 WNT.

 

試合の方は、ダブルイリミネーションの勝者2回戦でT・ホーマン選手(ドイツ)に9-5で負けて敗者側へ。ホーマン選手は嫌らしい球もしっかり入れ繋いでいて、シュートミスは終盤に1回のみと手堅いプレーをしていました。

 

敗者2回戦は元モスコーニカップ・アメリカ代表のM・ディシェイン選手相手に良いプレーができて快勝。敗者3回戦は賞金を掛けて、これまた元モスコーニカップ・アメリカ代表のT・スタイアー選手と対戦。終始リードする展開だったのですが、スタイヤー選手の超スロープレーにリズムを崩されました。ヒルヒルだったにしても8先2時間半。会場がとても寒かったので待ち時間が長いと身体がかなり冷えてしまい、最後2度も上がり損ねたので色々と反省です。

 

 

今回の遠征では4大会に出ましたが、上位に進むことができず、ランキングもさほど上げることが出来なかったので悔しさが残ります。このような過密ロードは過去に経験したことがなく、ここまで競技に専念する期間は珍しかったのでとても収穫がありました。世界の上位選手相手にも喰らいつけるチャンスを感じました。

 

とはいえ、勝ち続けるためにはもちろんアベレージが大切です。このレベルにおいて心技体全てを整えて戦い続けることは並大抵のことではありません。それに見合った賞金が用意されているかと言われれば、プール競技はまだまだなのかもしれません。プレーレベルと人口、賞金のバランスが少しズレている感覚があります。世界のトップ選手もみんな苦しんでいると思います。

 

ただ、これからの10年~20年でその辺りの問題点が解決され、より洗練された競技に昇華していく可能性はあります。マッチルーム(WNT.)が改革し、WPAが寄り添うようになればステージは整うと思っています。僕自身、もう少しプレイヤーとして関わり、この経験を次の世代へうまく繋いでいければと思います。

 

(了)

 

※吉岡プロのSNSでも現地情報が発信されています。

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※吉岡正登 2024夏の海外遠征:

8/19 ラックスMVPオープンのちょっと裏側 

8/12 ヨーロピアンオープンのちょっと裏側 

8/5 ヘルシンキオープンのちょっと裏側

 

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◇ 2024 USオープン関連記事

 

8/26 ゴーストがSNSで語ったこと

8/25 ゴースト初優勝

8/24 ベスト4決定。Day5

8/23 大井33位タイで終了。Day4

8/22 大井決勝トーナメントへ。Day3

8/21 吉岡敗者3回戦へ。Day2

8/20 大井勝者最終へ、吉岡敗者側へ。Day1

8/19 大井直幸、吉岡正登参戦。組み合わせ決定

 

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