古今東西の稀少なビリヤードアイテムを
多数所蔵している
「ビリヤード珍品コレクター」の
今回ご紹介いただくのは
「不思議なキュー」です。
ビリヤードの世界には、
「キュー」と言われて皆が思い浮かべる
一般的な形状・デザイン・仕様から
少しあるいは大きく逸脱した
キューが存在します。
ある性能・機能を追い求めた結果、
特殊な姿形になったものもあれば、
見た目のインパクト重視としか
思えないものもあります。
そんな変わり種キューも
たくさん所有しているI氏。
コレクションの一部を見せていただきます。
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I氏・記：
ビリヤードをこよなく愛する皆様、
こんにちは。
以前に、この秘宝館のシリーズで
2回にわたって古いキューを紹介しました。
今回は不思議な、変わったキューに
スポットを当てます。
これらのキューは見た目重視で
手に入れたものばかりで、
ほとんどが衝動買いです（汗）。
周囲からは「なんでわざわざ買うの…」
という視線を強く感じることもありますが、
珍品コレクターとしては愛着を
感じているものばかりなのです。
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◇ 金属製ジャンプキュー「Dr. Popper」
※青い網目状のものは、付属品のグリップカバーです
一見するとビリヤードのキューとは
思えない形をしたアイテムですが、
れっきとしたジャンプキューで
「Dr. Popper Jump Q」という
アメリカ製のものです。
慣れると、手球が的球にかなり
接近した状態でもジャンプショットが
できるようになるようです。
こちらは15年ほど前にアメリカの
ビリヤード・イベント、
『Super Billiards Expo』（SBX）で
購入しました。
このようなメタリック調の
ジャンプキューは他にも販売されています。
最近ではこのようなキューが販売されています。
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◇ 2本のシャフト一体型のジャンプキュー
長短2本のシャフトが一体化したもので、
長いシャフトはロングジャンプ用として、
短いシャフトはショートジャンプ用として
使い分けるようです。
こちらもアメリカのSBXで発見したものです。
このようなキューを公式試合で使うのは
ルール上、問題ないのでしょうかね…。
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◇ 超軽いジャンプ＆ブレイクキュー
プール（ポケットビリヤード）の
ナインボール競技などの
ブレイクの威力を高めるために、
ブレイクキューは重いのがよいか
軽いのがよいか、その時代によって
流行があったり、プレイヤーによって
意見が違ったりすることがあります。
こちらのキューは、軽い方がよいという
コンセプトに基づいて（？）作られたキューで、
「The lightning bolt」という製品です。
重さはバットが220グラム、
シャフトが111グラムの合計331グラムで、
なんと約11.7オンスという軽さです。
I氏も使ってみましたが、軽すぎて
ブレイクの素振りのタイミングが難しく、
またキューが手球に負けそうな気がして、
こわごわ撞いてしまうような感じでした
（あくまでも個人の感想です）。
ちなみに非常に重いブレイクキューも
見かけることがあります。
I氏が知る限りでは、30オンス近くの
キューが製品として売られていました。
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◇ ピカピカ光るキュー
アメリカの伝説のプレイヤーである
Minnesota Fats（ミネソタ・ファッツ）の
名前を冠した比較的安価な
プリントキューです。
バットエンドの内部に青い液体が入った
水槽（？）があり、そこに小さい
8番ボールと9番ボールが浮かんでいます。
このキューに衝撃を与えると、
キューの内部にある電球が反応して、
水槽の中に赤や青の光が現れます。
つまり、ショットをするたびに
バットエンドがピカピカ光るのです…。
このようなキューを試合で使ったら、
対戦相手からクレームがくること
請け合いです（汗）。
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◇ Camelブランドのキュー＆ケース
アメリカのタバコとして知られる
「Camel」は、キャメル・ツアー
（Camel Pro Billiards Series）といった
プールのイベントを行ったことがあるほど、
ビリヤード業界とはつながりが深い
ブランドでした。
このキューのバットには
C A M E L という文字が、
色違いで大きく縦にプリントされていて、
見た目のインパクトがすごいです。
なお、このキュー用の専用ケースにも
大きくCAMELのロゴが印刷されています。
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◇ ミニチュアキュー
バットとシャフトの長さが
それぞれ約37センチのキューで、
きちんとジョイントやタップ・先角、
専用ケースがついています。
一応「子供用キュー」なのですが、
子供向けとはいえ実用では使いにくい
でしょうね（大きさの比較のために、
チョークを置いて撮影しました）。
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◇ Longoniのバイオレット・キュー
※紫の網目状のものは、緩衝材（ジョイントプロテクターの代用品）です
イタリアを代表する
大手キュー・メーカーである
Longoni（ロンゴーニ）社の
30年以上前のキャロムキューですが、
バット部分に虹色のようなまだら模様があり、
かなり派手です。
ただ、このキューは長らくキャロムを
プレイされている方にとっては
おなじみのデザインかもしれません。
これは『世界スリークッション選手権』を
2度獲得したことのあるベルギーの
ルド・ディリス（Ludo Dielis）選手の
モデルキューで、その名前は
「バイオレット」（Violet）です。
当然、ロンゴーニキューの
最高ランクの5つ星キューで、
シャフトにもディリス選手の名前が
刻印されています。
このキューは国内のオークションで
未使用品をラッキーにも落札できたのですが、
バット部には本人の手書きサインも入っていて、
かなりのお宝品を手にすることが出来ました。
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◇ プレデターの試作品キュー
約20年前に、アメリカの
オークションサイト、eBayで
見慣れないキューを見つけました。
アメリカの大手ビリヤードブランドの
プレデター（Predator）社の
昔のロゴが入ったもので、
バットはメイプルの木材を
貼り合わせて出来ています。
また、グリップには紐状の革を
巻き付けていて、ジョイントの形状は
いわゆる14山（5/16-14）です。
これはいったい何なのか…という
期待と不安のもとに入札して、
無事に落札できたのがこのキューです。
プレデター社は、もともとは
ハイテクシャフトの元祖とでも言うべき
「314シャフト」が
主力商品だったメーカーでした。
その後、2000年に独自のバットを開発して
「Predator 2」というキューを
販売したのですが、それに先立って
いろいろなバットを開発・試作したようです。
このキューの出品者に連絡を取ったところ、
その人はプレデター社に勤めていたスタッフで、
自分もアメリカのイベントで
直接会ったことがありました。
その人がこの試作品を譲り受けて出品した…
ということのようです。
実際このキューでプレイしたところ、
撞き心地もよく、実践で十分に使えるものです。
このキューは、バット自体も
314シャフトのような外観ですので、
プレデター社らしい試作品と
言えるかもしれませんね。
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◇ ヨシムラキュー
日本を代表するキュー職人である
吉村理一氏が作成した
「ヨシムラキュー」を使っている
（いた）方は、関西を中心に
多かったのではないでしょうか。
このキューは国内のオークションで
出品されていたものです。
バットに「よしむら」とひらがなで
書かれていたのに心を奪われて、
思わず落札しました。
Made in Japanとはっきり分かる（？）
サインがポイントだと思います。
ちなみにI氏は吉村氏にキューを
直接オーダーしたことがあるのですが、
そのキューには英語のロゴが入っていました
（※3枚目の画像の左側のキュー）。
ヨシムラキューにはいろいろな
ロゴやサインがあったようで、
お願いすればこのキューにもひらがなで
サインをしてもらえたかもしれません。
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【おまけ・その１】
◇ キュー型の杖
いわゆるスニーキーピート型の
キューのバットをイメージした杖です。
持ち手は9番ボールを加工したものです。
アメリカのビリヤード用品サイトで
売られていたものをわざわざ（笑）
取り寄せました。
以前に、この秘宝館シリーズの
ステッキ型キューを紹介しましたが、
こちらの商品は杖そのもので、
残念ながら（？）
キューとしては使用できません。
ウン十年後には、この杖をついて
ビリヤード場に行くのがI氏の目下の夢です（汗）。
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【おまけ・その２】
◇ 手球が先端についたキュー？
短いキューの先端に、
タップではなく白い手球がついています。
この商品にはアメリカの
ビリヤードテーブルメーカーの大手である
ブランズウィック（Brunswick）社の
ロゴが入っています。
この商品はいったい何なのでしょうか…。
おそらく、ビリヤードを教える際に
ボールの位置を示す指示棒の代わりの
ように使うものだと思われます。
大柄の人だと孫の手や肩たたき用に
使えるかもしれませんが…。
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【不思議なキュー編】はここまで。
I氏にはいずれまた別のアイテムを
紹介していただきます。
◇ 秘宝館連載 バックナンバーはこちらへ
…………
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