WNT.(マッチルーム)イベントを
主戦場とするフィリピンの
トッププレイヤーであり、
他のトップWNT.プロ達と足並みを揃えて、
WPAイベントへの不参加を表明していた
ヨハン・チュア。
ついさきほどチュアはSNSに、
一昨日閉幕した
今後の『チャイナオープン』
『ホーチミンオープン』といった
WPAビッグイベントへの参加を見送った
率直な胸の内を書き綴りました。
簡潔にまとめると、
「出たいのはやまやまで
諸経費は払い済みだが、
統括団体のやり方に異議を唱えて
不参加を表明していた身としては
ここで節を曲げることはできない。
引き続きWPA大会への不参加を続ける。
ただ、各選手にはそれぞれの事情が
あるのも理解している。
私はこのスポーツの未来のため、
若いプレイヤー達のため、
今は自分のキャリアを犠牲にする覚悟だ」
――といった内容です。
抄訳をお届けします。
ーーーーーー
ヨハン・チュア記:
多くの人から「なぜニュージーランドで開催された『WPA 8ボール世界選手権』に出場しなかったのか」と聞かれた。
先月の『ACBS 9ボールアジア選手権』を欠場し、今後の『チャイナオープン』と『ホーチミンオープン』を欠場するのと同じ理由だ。この禁止令(※WPA/ACBSがアジア人WNT.プロ達に課した、WPA/ACBS管轄大会への参加禁止措置)がなくなるまで、今年のWPAのイベントには参加しないと誓った。
自分のキャリアのためにはこれらのタイトルを獲得し、『8ボール世界選手権』で優勝したかったのはやまやまだが、私はここで犠牲を払い、今はそれらのタイトル獲得のチャンスを手放さなければならない。
これはスポーツの未来のためであり、特にこの影響を大きく受ける私達アジア人のためでもある。他の選手がどう感じるかはわからない。彼らには彼らなりの考えや理由、見方があるだろうが、私にとっては、今日追放され、翌日解除され、次の大会ではまた追放され、彼らが望んだからといってまた解除されるというのはプロフェッショナルではない。
今まさに渦中にいるため、この問題がどのように始まったのかさえ覚えていない。私はただプレーしたかっただけなのに、まるでプレー「させられて」いるみたいだ。この件に関して前の投稿で言ったことが本心であることをみんなに知ってほしくて、今投稿している。
私は今も仲間達と連帯し(禁止令への反対の)立場をとっている。
熟考の上のことだ。私は9歳の頃から優勝することを夢見ていたトーナメント(8ボール世界選手権)を諦めた。自分の最大のスポンサーの一つであるベトナムのA plus Billiardsが主催するホーチミンオープンでのプレーも諦めた。飛行機もホテルも予約してあるし、全て無駄になる。これが僕にとってどれだけ大きなことなのか皆に分かってほしい。私は全てを犠牲にした。
私は他のプールアイドル達ほど成功していないし、多くのタイトルを獲得していないかもしれない。これはこのスポーツの未来のためであり、私達の後に続く若い人達のためでもある。スポンサーも私の決断を理解してくれるだろう。
どんなスポーツにも問題や改善すべき点はある。この災難が早く終わることを願っている。私はこのプールスポーツをとても愛しているので、このように分断され、確信の持てない状態にはなってほしくない。長年リスペクトしてきた統括団体(WPA/ACBS)の行為に異を唱えるのはとても辛いことだが、これはやらなければならないことだ。選手達も(団体側から)尊重されなければならない。
プールというスポーツにはギャンブルや悪事がつきものだというコメントには呆然としてしまう。それは真実ではないと私は知っているから。しかし今、私が子供の頃このスポーツを始めたときに尊敬していた私達の団体によって、選手達がこのような扱いを受けていることに傷ついている。私は今もまだ、この問題が早く解決されることを望んでいる。私達のスポーツにはまだまだ改善すべき点がたくさんあるのだから。
『議論ではなく、行動で勝ち取れ。自分の主張を行動で証明しなさい』――ヨハン・チュア
ーーーーーー
余談ですが、
チュアのこの投稿が出る少し前に、
WPAから特定の選手に宛てられた
レターがネットに流失していました。
WPA大会へのボイコットを決めた
(ので『8ボール世界選手権』の
エントリーフィーの返金を望む)
WNT.プロの誰かへあてたもののようです。
どこからこのレターが流失したのか
不明であり、プライバシー寄りな
内容でもあるため全文掲載はしませんが、
要点を抜き出します。
まず、『8ボール世界選手権』の
エントリーフィーの返金については、
WPAは
「8ボール世界選手権のエントリーフィーの返金を希望する人が数人いますが、返金事由に関するWPAの規則は非常に明確であり、そこに『ボイコットを支持する行為』は含まれていません。現状では参加費の返金は不可能です」
としています。
また、現在一部のWNT.プロ達が
行っているWPAイベントへの
ボイコットについて、WPAは、
「ボイコットに関するレポートと、WPAだけでなくソーシャルメディアを通じてはるかに多くの視聴者にその決定を共有することを決定した方法(の是非について)は、WPA内でさらに検討される予定です。決断を『公表』する前に、WPA に懸念を表明し、意図を伝えなかったことは非常に残念です。あなたの行動が私達のスポーツの評判を落としたとみなされるかどうかはまだ明らかになっていません。もしそうなら、これは国内、大陸、および国際レベルでさらに影響を及ぼす可能性があります。WPA理事会は、私達のスポーツについてあなたが抱く懸念について話し合う機会を設けます」
と述べています。
ここから読み取れることは、
WPAは今のところ、
「アジア人WNT.プロ達への
WPA/ACBS管轄大会への参加禁止措置」を
解除するつもりはなく、
WPAとWNT.およびWNT.プレイヤーとの
溝はさらに深まり、
分断が進んでいるということです。
9月後半にはWPAの
『チャイナオープン』、
『ホーチミンオープン』、
10月にはWNT.系の『ペリオープン』と
WNT.直轄の『ハノイオープン』が
アジア圏でありますが、
もともとトップトーナメントであるため
出場枠の確保が簡単ではない上に、
WNT.とWPAの分断が進むこの状況では、
特にアジア人選手がこの4つ全てに
出ることはかなり難しいのではないかと
思います。
※以下、追記しました:
WNT.のアジア人選手達は、
現状ではアジア圏以外のWNT.系大会と
WNT.直轄イベントに出てもペナルティ
(WPA大会への参加禁止処分)はありません。
アジア圏以外のWNT.系大会や
WNT.直轄イベントとは、
先日大井直幸が優勝した
『ヘルシンキオープン』や、
『UKオープン』『ヨーロピアンオープン』
『USオープン』などのこと。
これらはWPA公認が取れているようです
(賞金額的に公認を取らなくても
よい大会もあるとのこと)。
つまり、今年それらに出ていた
日本人WNT.プロの大井直幸と吉岡正登は、
『ジャパンオープン』や
『全日本選手権』といった
WPA公認の日本の大会へ出られます。
しかし、ベトナムの『ペリオープン』や
『ハノイオープン』に出ると……
どうなるかは不明です。
…………
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