〈BD〉ジュリアン・セラディラ インタビュー。スイス発・日本経由のビリヤードトリップ【後編】

 

9月9日にアップした【前編】に続き、

ジュリアン・セラディラの

インタビューをお届けします。

 

この【後編】では、

ジュリアンの使用アイテムや、

この夏始めたばかりの

「ビリヤード海外遠征コーディネート業」

についても聞いています。

 

なお、現在ジュリアンは中国・上海で

開催されているWNT.ランキングイベント、

『ゼン&ユアン8 オープン』に参戦。

勝ち→負け→負けという戦績で

ダブルイリミネーションラウンドで

敗れています(大会概要や

トーナメント表はこちら

 

取材協力:3seconds

 

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――今年(2024年)はJPBAプロになって3年目です。3回優勝していますが、ここまでのプロキャリアをご自身ではどう評価していますか?

 

JS:客観的に見てプロとして結果が出ている方だと思いますし、納得は行ってます。ただ、もっと結果が出ていてもおかしくなかったというか、「勝利を逃した」と感じた試合もあるので、満足してるかと言われたら「ちょっと足りてない」というのが正直な気持ちです。実力が足りてない部分も当然ありますし、まだまだ成長していかないといけないのはわかってます。

 

プロ初優勝は2023年1月『関西オープン』。BD撮影
プロ初優勝は2023年1月『関西オープン』。BD撮影

 

――今年7月『GPE-4』優勝後の談話取材で「海外の大会に出るようになって特にメンタルが伸びたと思う」と語っていました。

 

JS:間違いないです。海外のトッププロ達を見ていると、やっぱりメンタルのコントロールが飛び抜けていて、自分を含めて他の選手達とは大きな差を感じます。自分なりにそこは吸収するようにしていて、最近は結構伸びてきたと思います。

 

――特に誰のメンタルが参考になりますか?

 

JS:海外トッププロ達は皆メンタルのコントロールに長けていると思います。一人名前を挙げるなら、SVB(シェーン・バンボーニング。アメリカ)。彼は何があっても崩れないし、ずっと戦う姿勢を保ち続けている。

 

――他にプロ入り後に伸びたなと思う部分とは?

 

JS:技術も良くなってると思います。今でもワンポケット、バンクプール、バンドゲーム、スリークッションなど他の種目もプレーしていますけど、毎回のように新しい知識や技術に触れられるし、それが9ボールや10ボールにも役立っています。例えば、セーフティ、細かい手球コントロール、バンクの撞き方とか。

 

――ジュリアンが日本を拠点にしてから国際大会には何回出ましたか?

 

JS:10回ぐらいですね。5年ぐらい前にチャイニーズ8ボールの大会に出てますけど、本格的にポケットの海外戦に出始めたのは去年(2023年)9月の『チャイナオープン』から。それから1年間で10回ぐらい出ています。

 

――印象に残ってる大会は? 

 

JS:良い意味で印象に残っているのは最初の『チャイナオープン』。ステージ1から出てベスト16まで行けたので成績的にも良い手応えを得られました。初海外戦みたいなものだったので気合いは入っていたけど、「どこまで行けるかな」という挑戦者のメンタルもありました。だから、ほどよくリラックスできていたし、調子も良くて強い選手達と良い勝負ができた。それがすごく楽しかったです。

 

――反対に悪い意味で記憶に残っている大会は?

 

JS:今年4月タイで出た『UKオープン』の予選です。初戦で負けてから2回勝って、敗者最終戦かその手前で負けました。たぶんあれがビリヤード人生で一番辛い試合。完全に壊れましたね。もうメンタルがどうにもならなくて、何をしても違和感があったし、プレッシャーが抜けなかった。試合後も1週間ぐらい引きずりました(苦笑)。でも、あの経験をしたことで、試合での自分のメンタルを見つめ直して、モードを作り直せた感じです。その後の『関東オープン』で3位になれたのはあの経験があったからだと思います。

 

1枚目:

プレーキュー:ユニバーサル UN1967-05(シャフトはCS Hybrid)

ブレイクキュー:ユニバーサル JB-01C 

ジャンプキュー: ユニバーサル  JP-3C

キューケース:3seconds ジュリアンモデル 3B5Sソフト

グローブ:3seconds 5FG Red

チョーク:ハイブリッドチョーク

 

2枚目:

試合でのウェア&シューズ。『On』(オン)のシューズは最近ほぼ全ての試合で愛用。「履き心地が良くて動きやすいので複数持っています」

 

3枚目:3位になった2024『関東オープン』

 

 

――話は変わりますが、今どんな道具を使っているのか教えてください。キューは全てユニバーサルですね。

 

JS:そうです。今年1月から契約プロとしてユニバーサルのキューを使わせていただいてます。契約前から試させてもらっていて、その時からすでに感覚が合っていたのでなんの問題もなく使えています。性能も高くて素晴らしいキューです。

 

――キューケースは3seconds(スリーセカンズ)のソフト3B5S。

 

JS:3secondsさんは以前から使っていて、今年から正式に契約プレイヤーになりました。つい最近ユニフォームとお揃いのデザインで自分のネーム入りで新しくケースを作ってもらって最高の気分です。

 

――3secondsケースの良いところとは?

 

JS:とにかく品質が素晴らしい。生地も縫製も造りも良いし、ハンドメイドで丁寧に作られています。ソフトケースと言っても造りがしっかりしてるから、守られてる感がすごくあって海外遠征でも安心です。ポケットやショルダーストラップもよく考えられていて、とても使い勝手がいいですね。

 

――グローブも3secondsの『5FG』ですね。

 

JS:機能性が高いのはもちろん、なんといってもこのデザインがカッコいい。他にはない3seconds独自のデザインだと思います。僕は試合ではユニフォームに合わせてレッドを使うことが多いです。練習ではグレーや他の色も使っています。

 

――チョークは?

 

JS:『ハイブリッドチョーク』です。こちらもスポンサーになっていただき、提供していただいています。どんな撞点や撞き方でもしっかりと手球を捉えてくれるので安心して使えます。

 

――ジュリアンが道具に求めるものとは?

 

JS:僕ははっきり言えば感覚派のプレイヤーなので、まずフィーリングが合うことが一番です。もちろん性能が良いことは大前提ですけど、最近の世界的なビリヤードブランドの商品はだいたいどれも性能は良いじゃないですか。だから、基本的には自分の感覚に合うか合わないかで決めています。撞いてみて打感が良くて、ボールの動きがイメージとズレてなければ使えます。

 

――感覚派だったのは意外でした。

 

JS:そうなんですよ(笑)。しかも、いじらずに純正の状態で使えるならそれが一番だと思ってます。テーパーやウェイトバランスなどを自分で調整する人もいるけど、僕は全くやらないですね。キューを調整するよりキューに自分を合わせるタイプです。

 

国際大会のエントリーのサポートや飛行機・宿の手配、現地での移動・食事・練習・観光までなんでもコーディネートしてくれる『ジュリアンツアー』、参加希望者募集中。画像は8月末タイ開催のヘイボール(チャイニーズ8ボール)トーナメント参戦時の様子。問合せや申込みは個人Facebook( https://www.facebook.com/julian.serradilla )、またはメール( juliantour.jp@gmail.com )にて

 

 

――そして、ジュリアンは海外大会に出たいと思っている日本の選手向けに、遠征のコーディネーターをすると聞きました。

 

JS:はい。自分も海外の試合に出ながら、日本選手のためにツアーガイドみたいなことができればと思って始めました。『ジュリアンツアー』という名前です。第1弾として、8月末にタイで行われる『JOY』のヘイボール(チャイニーズ8ボール)の試合に日本の選手を一人連れて行きました。次は10月頭の『ぺリオープン』(ベトナム)。2名の申込みをいただいています。

 

――それは仕事として請け負うのですか?

 

JS:そうです。今後僕が行く予定の全ての海外戦が対象です。僕が希望者のフライトやホテルを手配して、大会のエントリーのお手伝いもします。現地では移動や食事や練習場所などのコーディネートをします。プレイヤーズミーティングの内容を日本語に訳してお伝えしたり、大会運営やレフェリーとのやり取りもサポートします。できる大会ではステージ1(現地直前予選)から対応します。

 

――それは頼もしい。

 

JS:海外の試合に出てみたいという日本の選手はたくさんいると思いますが、やっぱり言葉や文化の違いに不安を感じて、なかなか一歩を踏み出せない人もいると思います。そんな人は僕に任せてください。日本語を含めて5ヵ国語が話せて、今は中国語も勉強中なので、だいたいの国の大会でガイドができます。海外に行く日本選手が増えて結果も出せたら、日本のポケット業界にとってプラスになると思います。それに、最近は日本にいると国際大会の開催情報が入って来ないことが多いですが、ジュリアンツアーを利用してくださった方には最新の大会開催情報をお届けします。

 

――わかりました。最後に、ジュリアンのプレイヤーとしての理想像とは?

 

JS:日本の選手で言えば、大井さん(大井直幸プロ)のような活動スタイルが目標ですね。競技活動に専念して国際大会に出続ける、そんなプレイヤーでありたいです。もちろん世界チャンピオンになりたいですけど、それだけが目標ではなく、長く海外で活躍していけたらと思います。その中でWNT.とWPA、どちらでも大きなタイトルを獲りたいですね。

 

(了)

 

※【前編】はこちら

 

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Julian Serradilla 

1995年9月13日生(取材時28歳)、スイス・バーゼル出身・東京都在住

JPBA56期生(2022年よりプロ)

2023年『関西オープン』優勝

2023年『グランプリイースト第4戦』優勝

2024年『グランプリイースト第4戦』優勝

所属店:『JM』(東京)

使用キュー:プレー、ブレイク、ジャンプ、全てユニバーサル

キューケース&グローブ:3seconds

スポンサー:ユニバーサル、キューショップジャパン3seconds、ハイブリッドチョーク

 

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