〈BD〉「自分で思ってるよりは良い内容だったのかなと」――『京都レディースオープン』連覇・河原千尋の談話

 

9月28日~29日に行われた

京都レディースオープン』。

 

連覇を飾った河原千尋の

談話をお届けします。

 

大会翌日に取材しました。

 

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――2連覇を飾り、今年も大きなガッツポーズが見られました。

 

河原:結構2連覇を意識して臨んでいたので嬉しかったです。ゲームボールを自分で難しくしてしまい、「やってしまったなぁ」と思いながら決められたので、自然と激しめのガッツポーズになりました(笑)。

 

――ヒューリックホール特設会場の雰囲気やテーブルコンディションは河原プロにとって撞きやすかったですか?

 

河原:そうですね。台間が広いですし、ホール内の空調も心地良い感じでした。それと、昨年はホールの扉を開けて試合をしてたんですけど、今年は閉めていたので外の音は全く聞こえなかったです。ホール内のBGMも京都っぽい和風のBGMで、落ち着いて試合ができました。

 

――テーブルは?

 

河原:『ブランズウィック』の「Ⅵ」と「Ⅳ」があってどちらも撞いたんですが、両方撞きやすかったです。体感的には昨年よりちょっとポケット幅は絞ってあったかなと思います。それも私には良かったですね。

 

――2日間の球の内容や状態は?

 

河原:予選(土曜日)はまあいつも通りの状態でしたけど、決勝日(日曜日)はどの試合も上がり際と言うんですかね、最後の方でのミスが目立っていた気がします。序盤から私がリードする展開で、「点差を付けたまま決め切りたい」という所でミスしてしまって、ベスト16とベスト8はそこから相手に点を取られました。そういう勝負所でのミスが自分では気になりました。

 

――2週間前の『ジャパンオープン』では特設会場行き直前(ベスト16)で敗れました。そこからの2週間、何か修正していたところはありますか?

 

河原:いや、ジャパンオープンは内容的には全然悪くなかったので、特に「直そう」というところはなかったです。高いモチベーションで練習できていて、そのまま京都レディースに臨めました。

 

――決勝戦はマスワリはなかったですが、相手のミスから着実にポイントを挙げていました。ご自身としても良く撞けた実感はありますか?

 

河原:そうですね。さっきも言ったように、決勝戦も大事なポイントでミスをしていた記憶があります。でも、まだ試合の動画は見てないんですけど、試合を見ていた方々の反応や感想を聞いた感じだと「良かった」という声が多かったので、私自身が思ってるよりは良い試合だったのかなと。そこまでネガティブな内容ではなかったのかもしれません。

 

――これで今季3勝目。悪くないペースでしょうか。

 

河原:悪くないですね。だいたい毎年2回~4回の優勝を目標にしているので、現時点で3勝は良いと思います。

 

――そういえばシャフトがカーボンになりましたね(MIKI『イグナイト』)。いつからですか? もう慣れましたか?

 

河原:『東海レディース』の1ヶ月前ぐらいだから……6月半ばからですね。もう慣れてますし、印象も良いです。使い始めの1~2ヶ月ぐらいは自分の印象が本当に合ってるかどうかの確認の意味で、練習の時にウッドシャフトと付け替えながら撞いてみるというのを数度やりましたけど、「良い方向に進めてるな」と思えたので、それ以降はずっと『イグナイト』だけを使ってます。

 

――「良い印象」とは例えば?

 

河原:どっちかと言うとパワー系のショットが撞きやすい印象です。前まで「ちょっと嫌だな」と思ってた球が「できそうだな」になってきたというか。自分的にはかなりいいイメージで撞けるようになりました。

 

――そして、9月上旬にニュージーランドのハミルトンで行われた『女子9ボール世界選手権』では3位入賞を果たしました(※河原プロの世界選手権での最高戦績は2016年の準優勝)。どんな収穫や課題がありましたか?

 

河原:今回一番感じたのは、海外戦での緊張度合いがかなり軽減されてきているということです。今までだったらだいたいどの試合も、雰囲気や台や対戦相手に慣れて気持ちが落ち着くまでに数マスかかってました。でも、今回はほとんど全試合、出だしからすごく落ち着いていて良い状態でした。

 

――TVテーブルでも?

 

河原:はい、一緒でした。自分でもびっくりするぐらい落ち着いていて。それは『世界選手権』だけではなく、最近の海外戦はだいたいどれもそうですね。あまり緊張せずに試合ができていることが上位進出という結果に繋がっているのかなと思います。

 

――世界選手権3位という成績に関しては?

 

河原:満足でも不満足でも……ですね。大満足ではないですが、3位は良い方だとは思うので、残念な気持ちにもなってないです。

 

――準決勝は相手(陳思明。中国)の状態が素晴らしすぎましたね。

 

河原:あれは「しょうがないな」っていう内容でしたね。でも、ああいう展開でも巻き返すぐらいじゃないとやっぱり世界タイトルは獲れないんだろうなとも思います。

 

――今シーズン国内では『北陸オープン』(10月19日~20日)と『全日本選手権』(11月)を残すのみ。そこに向けてどんな準備を?

 

河原:今回の京都レディースでは、特に特設会場のテーブルコンディションへの対応というところで結構反省点が見付かりました。次の『北陸オープン』の決勝日と『全日本選手権』は特設会場になるので、そこを意識して修正していきます。『北陸オープン』は昨年出られなかったですし(※『女子10ボール世界選手権』と日程が重なったため)、決勝日に進めたら富山駅特設会場で撞けるのでとても楽しみです。女子の予選会場(土曜日)はフィレンツェネオさんとANTSさん。だいぶ前にフィレンツェネオさんで女子プロの試合を開催していただいたことがあります(2009年)。もう雰囲気や台のコンディションを覚えていないので、それを想像しながら練習することはできないですが、どんな感じなのか実際に行って試合をするのが楽しみです。そして、良い状態を維持したまま『全日本選手権』に向かいたいです。

 

――海外の予定は?

 

河原:『女子10ボール世界選手権』(11月。プエルトリコ)はインビテーションが来ているので出る予定です。

 

――最後に応援してくれている方々に一言。

 

河原:今年も『京都レディースオープン』開催に尽力されていた京都の皆様、大会スポンサー企業様、そして、会場で観戦してくださった方、ライブ配信を見てくださった方、ありがとうございました。また、日頃より私たち女子プロを応援してくださっているファンの皆様にも感謝しています。おかげで今年も『ヒューリックホール』という素晴らしい会場でプレーすることができ、連覇を飾ることができました。今年はあと『北陸オープン』と『全日本選手権』があります。最近はビリヤードの大会が多いのでファンの皆さんもお忙しいと思いますけれども、ぜひ会場に足を運んでいただければと思います。

 

(了)

 

2023年優勝談話

2023年大会結果記事

 

Chihiro Kawahara

1985年1月5日生 

JPBA39期生

JPBA女子年間ランキング1位・10回

(2010年、2011年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2023年)

『女子9ボール世界選手権』準優勝1回(2016年)/3位1回(2024年)

『台湾 アムウェイカップ』3位(2016年)

アジアンインドアゲームズ銀メダル2回、銅メダル1回

『ミシガンオープン女子』3位(2023年)

『ACBSアジア女子9ボール』3位(2024年)

『ジャパンオープン』優勝2回(2013年、2015年)

『全日本女子プロツアー』優勝12回

『関西オープン』優勝6回

『東海グランプリ』優勝4回

『大阪クイーンズオープン』優勝4回

(※前身の『全日本女子ナインボールオープン』優勝3回(3連覇))

『セントラルレディースオープン』優勝2回

『九州レディースオープン』優勝1回

『北陸オープン』優勝3回

『関東レディースオープン』優勝4回

『全日本選手権』準優勝3回

『京都レディースオープン』優勝2回

その他、優勝・入賞多数

『アンセーズ』(大阪)所属

使用キューはEXCEED & MEZZ

使用タップは

スポンサー:BANDEL、Roi MARKETING DESIGN、西日本装建工業

 

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◇ 2024 JPBA女子シーズン:

1月『関西レディースオープン』(栗林美幸/夕川景子)

2月『全日本女子プロツアー第1戦 in 東京 たまや』(村松さくら/山内公子)

3月『全日本女子プロツアー第2戦 in 愛知 春岡クラブⅡ』(河原千尋/佐藤麻子)

4月『関東レディースオープン』(河原千尋/久保田知子)

5月『大阪クイーンズオープン』(小西さみあ/河原千尋)

6月『全日本女子プロツアー第3戦 in BAGUS川崎店』(小西さみあ/奥田玲生)

7月『東海レディースオープン』(青木知枝/谷みいな)

7月『全日本女子プロツアー第4戦 in 佐賀 session』(栗林美幸/河原千尋)

9月『ジャパンオープン』(王婉菱(台湾)/柳信美(台湾))

今回→ 9月『京都レディースオープン』(河原千尋/青木知枝)

 

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