〈BD〉「下を向かず前を向いてしっかりと球に向き合おうと」――全日本女子3C初優勝・宮下綾香の談話

 

3日の『全日本女子3C選手権』で

初優勝を飾った宮下綾香(JPBF)。

 

表彰式直後に談話取材をしました。

 

宮下プロは育児のため

2013年から2023年まで

約10年間ビリヤードを休止。

昨年競技の世界に戻って来ました。

 

BDでこういったコメント記事を

載せるのは今回が初めてです。

 

…………

 

――優勝の感想を。

 

宮下:頑張って良かったな、一生懸命撞けたなと思います。復帰してちょうど1年ぐらい経つんですけど、皆(JPBF女子プロ達)に追い付きたくて、取り戻したくて、1年間この試合を目標に練習してきました。

 

――「全日本」タイトルは以前から意識していましたか?

 

宮下:もちろんです。何度か入賞したことはあるんですけど(※2009年大会3位がこれまでの最高。当時は福本姓)、優勝決定戦は撞いたことがなくて。ずっと西本プロ(全日本女子3Cで5度の優勝を誇る西本優子)を目標にしていました。「ゆうこちゃんに勝てるようになりたい」って。

 

――2日間振り返ってみていかがですか。よく撞けたと思いますか?

 

宮下:いえ、ちゃんと撞けたなと思えるゲームの方が少ないですね。特に初日(予選リーグ)の1試合目はコンディションが全然掴めなくてボールも滑っていて、やることなすこと裏目に出てました(※両者負け)。もう半泣き状態でした(苦笑)。周りの方々に励ましてもらったりアドバイスをいただいたりして、なんとか気持ちを切り替えて、リーグの残り2試合は勝つことができました。

 

――2日目(決勝リーグ~決勝シングルトーナメント)は?

 

宮下:2日目も第1ゲームは苦労しましたね。第2ゲームぐらいからテーブルも落ち着いてきて、なんとか対応できたような感じです。でも、どの試合も頭が真っ白なことが多くて、あんまり内容を覚えてないです(苦笑)。

 

――カギになった試合は?

 

宮下:準決勝(vs 西本優子)です。テーブル(4号台)が難しかったですし、西本プロに走られる展開だったんですが、「絶対に諦めない」ということは心に決めていたので、気持ちで最後まで戦い抜きました。それで9-22からまくって勝てた(25-23)のだと思います。

 

――決勝戦(vs 井上牧子アマ)も大接戦でした。

 

宮下:今大会、井上選手がいい球を撞いていたのはわかっていましたが、自分はプロですし、「ここでは負けられない」と思ってました。周りからの期待も感じていて、それがプレッシャーにもなりました。でも、とにかく一生懸命一球一球やるということは主人(宮下崇生プロ)と約束していましたし、それは最後まで守れたんじゃないかなと思います。

 

――両者ワンモアを撞く痺れる展開でした。上がり際の心境は?

 

宮下:最後のあたりは負けることも覚悟していましたけど、相手がワンモアを当てるまでは終わりじゃないので、弱い気持ちにならないように下を向かず前を向いてしっかりと球に向き合おうと思っていました。

 

――最後のバタバタは思った通り撞けましたか?

 

宮下:はい、思った通りです。ちょっと厚みが難しくて不安もあったんですけど、ちょうど主人にバタバタを教えてもらっていましたし、決めた通りにしっかり撞きました。

 

――当たった瞬間、その場にしゃがみ込みました。

 

宮下:本当はガッツポーズをしたかったんですが、でも……ああなっちゃいました。

 

――2日間を通して良かったところとは?

 

宮下:良かったところは……、練習してきたことはまあまあできたかなと思います。たくさんミスもしましたけど、自信を持って撞けた球もありました。それは練習の成果だと思います。

 

――逆に反省点は?

 

宮下:メンタルです。気持ちが弱くていつもおどおどしちゃうので、もっと強い気持ちで向かって行かないといけないですね。自分で決めたことをしっかりやり抜くこと。そうすれば、もし外してしまっても次に繋がるからと主人にも言われています。私は構えてから、景色とか頭の片隅にある悪いイメージに影響されて、変なことをやっちゃって外してしまうことがあります。だから、「こうやるぞ」と決めたらそれに集中することが大事だと思います。

 

――この会場(霞が関ビル内 霞が関プラザホール)で撞くのは2012年の『世界女子3C選手権』(宮下綾香は3位、優勝は東内那津未)以来だったでしょうか。

 

宮下:そうです。あの世界選手権が終わってから、子育てで10年間ぐらいビリヤードはお休みしてました。休んでいる間は全然撞いてなかったですし、忙しすぎてやりたい気持ちにもならなかったです。

 

――復帰しようと思ったのは?

 

宮下:主人が常に声を掛けてくれていましたし、下の子が小学校に上がり、少し時間に余裕ができてきたからです。去年の『アダムエメラルドカップ』(2023年4月)で試合に復帰しました。やる以上はちゃんと向き合いたいので、主人に教えてもらいながら1年間練習してました。子供が学校に行っている午前中からお昼にかけてお店(東京『キューベスト』)で撞いてました。

 

――その取り組みが報われましたね。

 

宮下:本当ですね。辞めないでよかったな、続けていればいいことがあるんだなと思いました。

 

――今年9月の『世界女子3C選手権』(フランス開催)の出場権利を手にしました。

 

宮下:行きます、行きたいです!(笑) 長年の夢だったので。全日本選手権で優勝したら、やっぱり次は世界選手権で活躍したいですね。

 

――最後に、応援してくれた人達に一言。

 

宮下:応援してくださった皆さんには本当に「ありがとうございました」の一言です。お店の皆さんや家族のおかげで全日本選手権で優勝できました。これからも練習に励んで、いいプレーを続けていって良い成績を出して、皆さんに恩返しができたらと思っています。

 

(了)

 

Ayaka Miyashita

東京都出身

2011年JPBF入会

2006年&2007年『レディースオープン』優勝

2008年&2011年『アダム エメラルドカップ』優勝

2012年『世界女子3C選手権』(東京開催)3位

2024年『全日本女子3C選手権』優勝

所属店:東京都調布市『キューベスト』

使用キュー:FarEast(シャフトはHAMAシャフト、タップはSasaki)

 

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